股関節の痛みでご来院のNさんとの会話。
先生、私、股関節のこの辺りが痛いんですよ!
と、いいつつ、痛いところをグリグリ指で押しています。
股関節痛が治らない最大の原因なんです。
でも、股関節のケアといえば、
股関節のストレッチや、テニスボールでお尻をグリグリが一般的です。
では、なぜ、悪化を招くケア方法が一般的になってしまっているのか。
それは、
その場では楽になるから。
この感覚的な錯覚によって、間違ったケア方法が生まれ、
股関節症の方がどんどん増えていっています。
なぜ、股関節周りのマッサージやストレッチはやってはいけないのか
股関節の痛みでお悩みの方の大半は、
関節の中がすり減って痛いのではなく、
まわりの筋肉が硬くなって痛いんです。
では、なぜ股関節周りの筋肉が硬くなるのか。
それは、今の体にとって、その硬さが必要だからです。
慢性的な疲労などで、体がバランスを崩したとき、
体を支える支えが必要になります。
その体を支えるための支えが股関節周りに発生したとき、
股関節の周りの筋肉が硬くなります。
この段階では、股関節周りがだるい程度ですが、
ストレッチやマッサージなどをすると、
筋肉が一時的に緩んでしまいます。
この一時的に緩むのが曲者で大抵の人はこのときに、
「楽になった!」「治った!」
と思い込んでしまいます。
しかし、本来必要な硬さを緩められてしまった体は、
今度は前よりももっと強い支えをつくります。
そうすると、だるさが痛みに変わってきます。
そして、痛くなると、
ストレッチやマッサージをして、一時的に楽になって、
結果的に悪化します。
楽になってから次の痛みがでてくるまでに、
一定のタイムラグがあるために、
マッサージ=悪化の原因
ということに気づかない人が圧倒的に多いんですね。
そして、
間違ったケアを繰り返していくうちに、
日常生活に支障が出てくるぐらいの強い痛みになります。
じゃあ、どうしたらいいのでしょうか?
答えは、
「何もしない!」です。
初期の症状であれば、
なにも対処しなければ、1、2週間で症状は治まります。
まずは、何もしない。
ストレッチも、マッサージも、テニスボールでの指圧も、
ストレッチポールも、何かをして治そうという試みを中止してみてください。
あなたの、股関節痛の回復はそこからはじまります。
[alert title=”注意”]股関節のマッサージは悪化の原因、なにもしないことから回復がはじまります[/alert]